副会長挨拶

西尾章治郎

大阪は「適塾」の歴史を引き継ぎ、最先端の医学、薬学、生命科学の拠点としての位置を占めてきましたが、さらに工学、情報分野との連携を強めて「高齢者医療」、「介護医療」をはじめ、現代社会が強く求める分野で活躍する高度人材の育成、アウトリーチ活動、情報発信等を市民との接点である「中之島」の地で展開することの重要性に鑑み、 一般社団法人 臨床医工情報学 コンソーシアム関西(以下、「コンソーシアム関西」と略す)が2008年に設立されました。

本年度で5年目という節目の年を迎える記念すべき年に、先般7月に開催されましたコンソーシアム関西の総会・理事会において、理事・副会長の大役を拝命することになりました。

まず、コンソーシアム関西のさまざまな事業推進につきまして、日頃から深甚なるご理解と多大なるご支援を賜っております会員の皆様に衷心より感謝の意を表します。

これまでの築き上げられたコンソーシアム関西の実績をもとに、今後のさらなる展開を以下のような三つの方針のもとで進めたいと考えております。

(1) 設立の理念を遵守:本ホームページに記載されているコンソーシアム関西設立の趣旨に立ち返り、1教育機関内部の協力体制だけでは実現しがたい、臨床医工情報学分野の連携教育を他の地域に先駆けて実施していきます。特に、関西地域の研究・教育機関、医療機関、公的機関、企業が連携し、それぞれの特徴を生かすことにより総合的な教育システムの構築を確実なものにしていきます。

(2) ときめきを感じる場:ときめきはあこがれでもあり、素晴らしい内容の講義に参加し、自分もそのような分野に是非携わりたい、自分も講師のような人になって社会に貢献したい、という気持ちが湧き起こるような場の設定をコンソーシアム関西は積極的に行っていきます。

(3) 「うめきた」への展開:毎日250万人以上の人々が行き交い、京阪神都市圏の中枢といえる大阪駅、梅田地区の北側に「うめきた/梅北」と命名された再開発地区の一部が、来年2013年春に新たな街として誕生します。その先行開発区域のさらに中核エリア(1.5ha)に、街開きと同時に世界の「知」が集まり、交わり、人々を惹きつけていく拠点「ナレッジキャピタル」がオープンします。
コンソーシアム関西は、活動の拠点をこの新たなエリアに移す計画であり、関西に位置する多くの大学の「アカデミヤ・ネットワーク」、関西の大企業、今まさに育ちつつある中小企業群の「カンパニー・ビジネスネットワーク」、さらに関西に位置する多数の研究所との「リサーチ・ネットワーク」の三つのネットワークが相互に強く連携し、拡充していくための「要」としての活動を展開していきます。

このような方針のもとで、会員各位とともにコンソーシアム関西を大きく飛躍させ、関西が大きく変わり、新しい時代が到来することに微力ながら貢献してまいりたいと考えております。皆様には、今後ますますのご厚情の程を何卒宜しくお願い申し上げます。

2012年8月

コンソーシアム関西 副会長 大阪大学 倉智嘉久